ハウスワークを見直す
外出自粛、おこもり生活がはじまって、10日ほど。
東京、神奈川、埼玉、千葉の住民である知人たちの動向をSNSで見てみると、
どうやら料理や掃除、ガーデニングなどのハウスワークに費やす時間が増えているようである。
著名人たちの時間つぶしアイデアもいいが、
一日中それをやっているわけにはいかない。
サッカー選手の筋トレをやって、一人で歌って踊っても、時間はあり余っている、という人が大半のようだ。
もとより知人たちの多くは、始終ケアが必要な年齢の子どもがいる年代ではない。
高校生、大学生ともなれば、家にいながらも、親と共有する時間は少ないのが普通ではないか。
求められるのは、外食ができない状況下、三度三度のご飯の支度である。
運動部休部の息子がいたりしたら、それこそ相撲部屋の女将さんさながらの重労働であろう。
そんな世情を察してか、カンタン料理のアイデアもFacebookに流れる。
ウィルスを吹き飛ばす免疫力をあげる調理法も多い。
毎日、草むしりをしているせいか、今年はきれいな春の庭になっている、とか
新しく花壇を作ってみた、などのガーデニングの話題も珍しくない。
折しも一年中で一番花がきれいに咲き誇る季節である。
先週末に害虫予防薬を買いにホームセンターに行ったら、
自粛要請もどこへやら、花の苗を求める人で例年どおりの込み合いであった。
時間に余裕があり、外出の疲れもないのだから、
なんとはなしに家事に従事する時間が増えている、という実態が見え隠れする。
自身、やってみるか、とこれまで大掃除のときしかしなかったシンク下の掃除などもやってしまった。
やってみれば、体を使うためか、やや清々しい気分。
コロナでハウスワークを見直す思わぬ機会を得たのを、災い転じて福となすと考え、何事もマイナスととらえないようにするのもいいかもしれない、などと思うのだった。
(文・古川嘉子/“40歳からのキレイとチャレンジ”を掲げるミセスモデル事務所「pearlyterrace」代表。雑誌・書籍編集者)