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ソーシャルディスタンスの取り方に工夫を!

外出自粛の中、数日おきに敢行している朝スーパー。

開店したばかりのところを、車で怒涛の買い出しである。

こもるのは問題ないが、兵糧攻めになっては困る。

家での生活に、特別あらたな楽しみも見当たらず、どうしても食べ物に喜びを見出したくなってしまう。

しかも、なんとなくモノをストックしておかなくてはならないような気分になり、

野菜や果物、お菓子類などつい余分に買ってしまう。

足りなくなったらすぐに買いに行けるのに、頭のどこかに非常時の意識があるのだろう。

緊急事態宣言から、美容院はじめ、マツエクやネイルサロンに行かないし、

メイクもしないことが多いので、美容にかけるお金がほとんどゼロ。

おまけに出かけるあてもないので、今年らしい洋服の1枚もほしくならない。

なので、全体にお金を使わない傾向の中、食費だけは増え続けている。

家計簿はつけていないが、昔、家庭科の時間に習ったエンゲル係数とやらは確実にあがっていると思う。

 

そんな中、今日も朝スーパーに。

先週はもっと空いていたのが、やけに込み合っている印象だ。

朝のほうが商品がそろっていることもあるが、なによりカゴやカートが汚れていない(と思う)のが、

早く行く大きな理由だが、同じように考える人が多くなったのかもしれない。

 

入口の消毒剤で手をびちゃびちゃにし、カゴとカートの持ち手を濡らして、

さあ、入りましょう、と思って、その込み合い具合に、一瞬ひるんでしまった。

平日の朝10時といえば、少し前までは高齢者が1人で来ている姿が大半だったのが、

今日は週末の午後といった賑わいだ。

 

TVで報道していたように、子ども連れもチラホラ。

さる女性タレントが、スーパーに子ども連れで来ることをブログで非難したところ、

クレームで炎上寸前だったそうだ。

確かに、他に大人がいなくては、子どもだけを置いて買い物に出ることはできないだろう。

それにしても、だ。

野菜売り場から、乾物や缶詰などの商品棚にカートを押していくと、

どの通路にも人が列をなしていて、目的の商品にいきつくのが一苦労である。

よくよく見ると、列はレジ待ちの列であることがわかる。

今はやりのソーシャルディスタンスを守って並んでいるので、

後ろに長~い列になってしまっている。

その人たちをよけながら買い物しているので、

前後はソーシャルディスタンスでも、両サイドは肩を触れあう満員電車だ。

 

これ、意味ないでしょう、と思ったが、さすがに、そこまで勇敢なクレーマーになりきっていないので、

即店員さんに文句をいうのは控え、買い物が済んだら同じように列に並んだが、

腑に落ちない気分満載で家路につく。

 

帰宅後、ニュースを見ていたら、アメリカだかのスーパーの様子が映し出されていた。

それを見て、ああ、これだ!

あのスーパーに足りないのは、これだ!

と気づいた。

 

足りないもの、それは、入場制限である。

ソーシャルディスタンスをとるには、入場者数に対して一定以上のスペースが必要である。

だから、スーパーは客同士が健全な距離を保ちながら買い物や、レジ待ちができるように

入場する人数を制限するべきなのだ。

 

郊外の広い駐車場を持つスーパーである。

外に入場待ちの列ができても邪魔にはならないはずだ。

なんで、そこに気づかないかなあ、と思いつつ、どうやってその提案を伝えようかと思案する。

 

しばらく考えた後、メールで進言することに。

店先での説明は、この状況下、避けねばならぬ濃厚接触になる可能性もあり、

さりとて、そのままスルーするのは如何にせよ無責任だ。

メールで言葉を選びながら、実行に移してくれるよう、説得力のある提案をしてみたいと思う。

 

(文・古川嘉子/“40歳からのキレイとチャレンジ”を掲げるミセスモデル事務所「pearlyterrace」代表。雑誌・書籍編集者)