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エシカルな視点で選んでみたい日常アイテム

 SDGsに向けて様々な努力目標を掲げ、世界は好調なスタートを切ったようだったが、今年に入ってからウクライナ情勢でそれが大きく後退し始めている。ヨーロッパ諸国は軒並み火力発電の割合をアップさせ、原発廃止の理想がかなり遠くなった印象だ。日本も然り。原発再稼働が始まり、地球環境より目先の生活を優先せざるを得ない状況だ。

確かに高邁な目標は、ゆとりの中でしか達成できないものである。生きるのに必死な人に、地球環境まで気を回す余裕はないというものである。

ただ、そんな中でも、まだ環境に配慮する余地は残されていると思う。あってもなくても困らないもの。ややし好品に近い、楽しみのために購入するアイテム選びが、それである。

たとえば、バッグ。

動物皮革は鞣すときに、大量の化学薬品と水を使い、水質汚染を招くことは以前から指摘されている。これを問題視するところから提案され始めたのが、ヴィーガンレザーである。ヴィーガンレザーというと、植物由来の革と思われがちだが、一口に言えば合皮のこと。中にはポリエステルなどの化繊でできたヴィーガンレザーもある。

その中でも、正真正銘のヴィーガンレザーがリンゴ由来のアップルレザーだ。動物皮革にもっとも近いと言われているが、素材となっているのは、ジュースなどで絞られたリンゴの皮や芯である。食品ロスとなって、世界中のリンゴ業者を困らせていたこのリンゴの搾りかすを粉砕して、水溶性の樹脂に混ぜて作られている。

動物皮革に比べ、驚くほど軽いのが特長。

最近は、SDGsを意識する海外の高級ブランドが、こぞってこのヴィーガンレザーのバッグを提案しているが、今後は、皮革製品はヴィーガンの流れに向かうのではないだろうか。

日本では、まだベーシックなタイプのものしかない中で、このヴィヴィッドな色のトートバッグはかなり先を行っているといえそうである。