健康

コロナ時代の救世主・光触媒でセフルウィルス除去

東京に住み続けてン十年。

その間、先の世代のように戦争を経験したこともなければ、

阪神や熊本の震災や東北の津波も、申し訳ないながら、

わが身に実感を伴う災禍ではなかった。

 

そんなのほほんと生きてきたところに、

このコロナ騒ぎである。

イラクやアフガニスタンのように、ロケット砲が飛んでくるのも怖いが、

どこに潜んでいるのかわからないという、目に見えないものを相手にするのも、

また恐怖である。

 

他国のようにPCR検査が迅速にできないから、

誰が感染しているかわからない状況が生まれ、

ウィルスと同じくらい人間不信も蔓延している。

 

ソーシャルディスタンスという新手の横文字も市民権を得、

道行く人を遠く避けて通るという、これまでは失礼とされていた態度が奨励される。

また、

インフルエンザのときは「一にうがい、二にうがい」であったが、

このウィルスはとにかく手洗いが重要という。

 

なるべく入り口にアルコール消毒液を配置しているスーパーを利用し、

それでカートやカゴの持ち手をじゃぶじゃぶと拭くようにはしているが、

見に見えない敵はどんなルートでやってくるか予測ができない。

 

そんな中、あら、これ、すごいんじゃない!

と即、ECサイトに導入をきめたのが、この「ケスキン」なる商品。

一口に言うと、酸化チタンに光を当てると、

そこについた有機物を二酸化炭素と水に分解してしまう、という仕組みを活用したもの。

有機物とは、バイ菌、ウィルス、カビ、そして臭いまでもが含まれるそう。

 

それを知ると、この名前は笑笑、なのだが、

要するに、これまでのアルコール消毒がそれらを「除去」するのに対して、

ケスキンは「分解」するのだという、そこがすごい!と思ったゆえんである。

 

しかも、一度スプレーすると、吹きかけたものによっては、

何年も持続効果があるという。

だから、不特定多数の人が集まる劇場や公共の建物などで使われているのだそう。

 

ピン!ときたのは、撮影スタジオでの使用だ。

実はこの状況下での撮影は、実に恐怖なのである。

前にスタジオを使った人たちの中にコロナ感染者がいれば、

メイクルームのあちこちや、食べ物や飲み物が置いてあるテーブル、イス・・・と、

タッチ感染する可能性のあるところばかり。

そういうところで、このケスキンをスプレーすれば、

1回1回消毒をしなくてもいいし、安心安全ではないか。

しかも、単なる汚れも有機物に入るというので、

菌やウィルス退治ばかりでなく、クリーニングにもなるらしい。

だから、スタジオのみならず、お客が入れ替わり立ち代わりする美容室やエステサロンなんかにもよさそうだ。

 

個人宅での使い方は、お風呂場やトイレがお勧めだそうだ。

お風呂のカビ、トイレなら臭いがなくなるという。

 

が、しかし、

太陽光や室内の光で、菌やウィルスを分解するというからには、

スプレーして多少の時間は要するようだ。

スプレーしたところについてから徐々に分解が進んで、

9日後に付着した有機物が96%程度除去されるという実験結果からすると、

アルコール消毒液のように、それで拭けば即バイ菌がなくなる、

というわけではないらしい。

 

つまり、

ケスキンをスプレーして10日くらいは、

除菌剤を併用する必要があるのではないか。

その後は、付着した菌やウィルスをどんどん分解してくれるようだが、

10日前に付着したウィルスは分解されているかもしれないが、

4日前に付着したものはどうなのか、という疑問がわいてくる。

光触媒の仕組みをよく知っている研究者の人なんかには、笑われそうだが、

生粋の文科系脳ゆえ、仕方なし。

 

理系知識弱者としては、

こちらの効果もウィルス同様、見えないものなので、

信じ込むのは得策でない、ゆえに、

全体のウィルスを大幅減してくれるスプレー、くらいにとらえたらいいのではないかと考える。

 

耐性実験では、酸やアルカリのみならず、カビキラーやマジックリンなどでも変質しないという結果が出ているので、

ケスキンしても、妄信しないで、アルコール消毒をすることが万全かと。

 

いずれにせよ、1日も早く、アルコール消毒が必要でなくなる日がくることを祈るばかりである。

 

(文・古川嘉子/“40歳からのキレイとチャレンジ”を掲げるミセスモデル事務所「pearlyterrace」代表。雑誌・書籍編集者)